前向き/後向きとOpen/Close(2)

前向きであることとOpenであること、
また後ろ向きであることとCloseであることは
共に親和性が高いと思われる。(第1、3象限)

 

ある人が前向きな姿勢を示す=話の焦点となっている事柄を
「本当に」推進しようとしていれば、その事柄が置かれている
状況や目的、方向性を把握して進める必要があり、「それらを
把握すること」に“自然と”思い至る。この過程で自分の観点を
確立しつつ、周囲の人の観点を踏まえて思考・判断し、
その結果を状況・周囲の人に対して肯定的に適用する。
逆に推進しようとする意志を持たなければ、手近にある自分の
観点のみで状況に対処しようとするだろう。

以上の考察から、前向き-Openと後向き-Closeには
親和性があり、また意志が先行し、Open/Closeな状態に
到達するものと考えられる。

 

さて、では前向き-Close、または後向き-Openの組合せは
成立するのであろうか(第2,4象限)。

前向き/後向きは話の焦点となっている
事柄についての姿勢であるのに対して、
Open/Closeは主には他者との関わり方が問題となっており、
論理的には前向き-Close、後向き-Openは
成り立ちそうではある。

 

しかし、より具体的にはどのような状態であろうか。

 

前向き-Closeな状態とは、前向きであることから推進の意志は
持っており、肯定的なメッセージを発しているが、
しかしCloseであるために(根本的には)相手の観点を踏まえて
思考・判断してない状況である。

この組み合わせとしては「暴走している」と表現される状態か、
原理主義的態度が考えられる。
例えば、組み立て作業の工程が時短、省エネなど
明らかに改善されるという大義名分に基づいて、
個々人の事情を考慮せずに改革を推進するケースなど
が考えられる。

 

逆に後向き-Openな状態は、人の意見は傾聴しており、
相手の観点も踏まえて思考・判断しいているが、
否定的な表現とともに推進する意志は見られない状況である。

例えば、仕事がうまくできていないことに悩んでおり、
親身なアドバイスの受け手となるケースを考えてみる。
ここでは「悩んでいる」ので当然、相手の意見を傾聴していると
想定されるが、かといって自己変革するほどの意志は持たない。
この場合はOpenではありながら、建前として消化しており、
姿勢としては後向きなケースと言える。

 

従って後向きと前向きの差、または姿勢の転換には、
もう一段「行動につながる/つなげるかどうか」という
これまでの検討内容(前向き/後向き-Open/Close)とは
別の課題がある。